CIIDサマースクール:Interaction design foundations

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CIIDのサマースクールInteraction design foundationsのワークの設計がすごく面白かったので、ワークについてをメインに記録。

5日間のワークの構成
1. 観察からプロダクトを考える
2. 都市のインフラの問題点を起点にプロダクトを考える
3. コミュニケーションをテーマにしたシナリオからプロダクトを考える
4. 3つのBerifとなるワード(感情、プロダクト、行為)を選んでプロダクトを考える

Interaction design foundationsで考慮するポイント

TIME – どのくらいの時間がかかるものか?
PACE – どのくらいの頻度で使用されるものか?
REACTION – 人へのフィードバックはどんなものか?またそれに対して人は何を感じるか?
CONTEXT – 様々な側面から見て、なぜそのデザインが必要か?
METAOHOR – 何をメタファーとして使えば人をその行動に導けるのか?またそれをどこに使用するべきか?
ABSTRACTION – そこにある性質、原理原則は何か?
NEGATIVE SPACE – プラスすることだけでなく、モノとモノとの間を利用したり、マイナスすることを考えているか?

1. 観察→プロダクト

1日目は、街の中にあるinteraction designの原理、原則を見つけて、それを元に新しいプロダクトを考えるワーク。40分ほどの街歩きをチームでして、気づいたことを持ち帰る。街の中で見つけたinteraction designの原理、原則は必ずそれが何故そうなっているのかを説明できるようにする。

チームでテーマにしたのが、自転車の駐輪所。コペンハーゲンは自転車大国なので、いろんな種類の自転車の駐輪所がある。それをスケッチに落とし、そこにある原理は何かを洗い出す。洗い出した原理、原則はこんな感じ。この原理が転用できるプロダクトを考えていく。
HOLDER – KEEPS BIKE LOCATION
SECURITY – LOCK
TIME SAVER – PRACTICALTY
DISPLAY – OWNER
PROTECTION – PROTECT BUILDING
PUBLIC USE – ATTRACT FREE USAGE

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2. 都市のインフラの問題点→プロダクト

2日目は都市のインフラストラクチャーをテーマにしたワーク。都市のインフラに、どうテクノロジーを利用していくかという講義で、UBERなどが、インフラを変えたサービスとして紹介される。
都市のインフラがテクノロジーによって管理されることによる個人情報の取り扱いについてなどの議論などがあった。

関連する書籍
The Death and Life of Great American Cities
Digital Ground

都市のインフラの問題点を起点にアイディアを練っていく。今回のチームでは、郵便の問題点と郵便の原理、原則について議論し、郵便物をトラッキングできるアプリケーションを考えた。チームにインド出身のデザイナーさんがいて、インドでは郵便物がなかなか届かなかったり、破損していたりということが多くあるそう。「問題点」と導き出した原理、原則の中の「感情」にフォーカスを当てて、問題点と一見結びつかなそうな感情を組み合わせてアイディアを練っていくプロセスが面白かった。
FEEL – EXCITING,SUPRISE,ANXIETY,FUN
TIME – SAMEDAY,NEXTDAY,AFTER1-3DAY,SPECIALDAY
SYSTEM – CENTRALIZED,DISMISSED
PHYSICAL – LETTER,BOX,ENVELOPE
LOCATION – YOU(DYNAMIC),HOME(VACANT),
OFFICE(PUBLIC),NEIGHBORHOOD(WALKING)
COST – CEAPEST,QUICKEST(TIME VALUE)

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3. コミュニケーションをテーマにしたシナリオ→プロダクト

3日目はシナリオを作ることにフォーカスしたワーク。テーマは「新しいコミュニケーションとは何か?」。ワークの途中でやって興味深かったのが、2分間アィディアスケッチ。2分間で、議論していたコミュニケーションの原理、原則、シナリオに基づいたアイディアをできるだけ多く描く。詳細は描かない。それをまた5分程度でチーム内でシェアをし、チームで出たアイディアと自分のアイディアを結合させて更に新しいアィディアを2分で描き起こす。このスピード感が大事とのこと。
こんな感じ。

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4. 3つのBerifとなるワード→プロダクト

4,5日目はBerifとなるワードを3つ選び、その3つをテーマにワーク。
ワードの種類は「感情」と「プロダクト」と「行為」。ワードの内容もよく考えられている。

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私のチームのワードは「JOY」「JEWELRY」「TRAVEL」。
PICO-PROJECTORのついたイヤリングを身につけ、地図を自分の腕に投影でき、そこに表示されるJEWELRYスポットなどに行くと、自分の体に投影するJEWELRYのパターンをGETできるというプロダクトを考えた。このときのワークでは現状の実現可能性とか、ビジネスモデルとかを考えずに感情面にフォーカスしたのが面白かった。

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「STRESS」「TRAFFIC LIGHT」「WORK」をBerifとしてやっていたプロダクトが印象的だった。小さな靴に身につけるデバイスにGPSとHaptic deviceが内蔵されていて急いでいるときなどに、青になりそうな信号を選んで振動で最適な道を教えてくれるというもの。これは実現できたら使ってみたいと思った。

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5日のワークを通して感じたのは、ワークの設計が面白かったこと。色々な国から参加者が集まってきているので、その多様な中でこのようなワークをすることで、違う視点、価値観が見えたりするのも面白かった。大学の教授をされている方なども来ており、Interaction designそのものというよりも、そのような多様な人が集まる中でのワークのデザインに興味を持ってきている人もいたのかな、という印象だった。人によってテーマの原理原則の掘り下げ方が違い、掘り下げ方がロジカルだと問題点と原理原則の意外な掛け算が生まれて、プロセスぐっと面白くなる。掘り下げ方が感情面、ストーリーに重点を置いていると、意外な感覚的アイディアが出てくることがある。人それぞれの思考の仕方がプロセスとアウトプットに直に反映されるところもこのワークの面白さだと感じた。
個人的にワークを通して感じた自分のクセは、思考が、実用性や、実現がイメージできるものに終始してしまうことが多いということ。これは仕事をしていたときについてしまったクセで、圧倒的に思考のジャンプ力が下がる。実現可能か、機能するか、目的が果たせるかとかは大事な側面ではあるのだけど、いままでの仕事はそこを整理し実現させていくことに終始してしまっていたとあらためて思った。一緒にワークをしたメキシコのプロダクトデザインの大学教授をしている女性が、そういう意味での思考の自由度を持っていて、ただ素直にアイディアを出すことを楽しむ感覚を、忘れてしまっていたと気付かされた。この記事をみて感じたことと似ている。

「自分の感覚だけでデザインすることで、インターフェイスの発想を広げたかったのが狙い」

感覚だけ、感情だけで思考するというのはプロセスとして大事だということを、個人的な課題点として発見できたワークだった。